廻向には・・・
回(え)向には我と人とを隔つなよ
看経(かんきん)はよし してもせずとも
大意
戦場では敵味方に分かれて戦います。しかし、そのどちらかが死んだとしても、死んだ人を供養するときは敵味方の区別を無くすこと。区別することなく、冥福を祈る。そうすれば、慈悲の心が自他を救うのです。
この歌にあるように、島津日新公は、実際に敵味方の区別無く供養搭を建て、それぞれの冥福を祈ったと言われています。敵と味方に分かれていても、死んでいった者達も皆、それぞれの思いを胸に抱いて散っていったのです。
それが分かっていたからこそ、島津日新公はこの歌を後世まで残そうと考えたのでしょう。
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